「紙工視点(シコウシテン)2022」①
DOMINO ARCHITECTS (大野友資)=建築家
「家具と道具のあいだ」のプロダクト
DOMINO ARCHITECTS(ドミノアーキテクツ)が制作した「paper rack」は、業務用スチールラックから着想を得てデザインされた、シンプルで丈夫な紙製のオープン収納。組み立ては簡単で、棚板の高さは後から調整可能。卓上に置いたり、壁に取り付けたりして使えます。ありそうでなかったこのプロダクトは、どのように発想されたのでしょう。
DOMINO ARCHITECTSの大野友資さん
普段の仕事
――建築業界からの参加というのは「紙工視点2022」の新たな展開でした。あらためて、まずは設計事務所ドミノアーキテクツとして普段のお仕事を伺います。
大野:建築の設計からインスタレーション、会場構成のような空間からプロダクトまで、幅広くデザインをしています。オフィスや店舗、住宅のほか、最近では牧場の設計だったり、屋外遊具の提案だったり、アウトドア案件も増えてきています。
「沢山の空気の塊が集まってできた遊具:ULTRA LIGHT ORCHESTRA」
Photographs by Takehiro Goto
――ほかの作例を挙げるとしたら?
大野:渋谷の再開発で建設されたスクランブルスクエア内の「SHIBUYA QWS(渋谷キューズ)」という名前の施設です。建物の15階がコワーキングスペースになっていて、3,000平米ぐらいの空間設計をやらせてもらいました。
Untitled (The Co-working Space in Shibuya #540), 2019 © Gottingham
Image courtesy of Domino Architects and Studio Xxingham
大野:手のひらサイズぐらいのものも作っています。紙の製品では「360°BOOK」という、ぐるっと開くと中に立体が現れる本のようなプロダクトをデザインしました。
Photographs by Gottingham
――牧場のプロジェクトも気になったのですが。
大野:札幌にあるお菓子メーカーのフラッグシップファームになる予定で、牛舎と鶏舎、卵の無人販売所を設計しています。原材料まで、すべて自分たちで育てたもの、できるだけアニマルウェルネス(動物に優しい育て方)に基づいた卵や牛乳などの材料を使用してお菓子を作ろうとされています。敷地の大きさが22ヘクタールぐらいあって、今年の秋頃に竣工予定です。
最初のオーダーからプロダクトの着想まで
――福永紙工やディレクターの岡崎さんとの最初の会話から、着想に至るまでのプロセスを教えてください。
大野:岡崎さんからは「紙の可能性を探って、プロダクトの研究開発をしてください」という内容でお声がけいただきました。研究や素材開発はすごく好きだったので、これを機に紙の物性に迫ってみようと思いました。同時に「あまり紙でやっちゃいけないことを逆手に取れないかな」とも考えたんです。それで、とりあえず紙を燃やすことで何か面白いことができないか、やってみることにしました。
例えば紙を燃やしたとき、いい匂いがするお香みたいなものができたら面白いのではないか。もともと匂いや香りにも興味があったんです。燃やして匂いを焚くパロサントという木のお香があるのですが、紙でパロサントみたいなものが作れないかなと考えました。印刷などで匂いなどの成分を調整できたら面白いなと思って。かなり実験的だったのですが、ちょっと試してみようということになりました。
紙を燃やしてみたときの様子
大野:ただ、しばらく進めていくうちに「福永紙工さんの得意分野をあまり考えていなかったのではないか」という違和感を覚えました。
――どういうことですか?
大野:実験的すぎるというか……これでは紙の加工ではなくて、紙そのものの開発がメインになってしまうし、それは福永さんが得意とすることではないのではないかと。2回ぐらい打ち合わせをしたあとで、お互いのプロフェッション(専門領域)やリソースを、うまく活用できていないまま進んでいる感じがしたんです。
福永紙工の魅力って、やっぱり加工の面白さ、加工のクオリティにあるんです。僕らのやりたいことだけではなくて、福永さんの強みを最大限活かした製品を考えるべきだなと思い直しました。
――逆に、ドミノアーキテクツの得意なこととは。
大野:世の中になかったものをゼロから創造するのではなく、既に世の中にあるものが備えている面白さや価値を、積極的に発見したり転用したりすることに興味があります。既製品の、まだ誰も気づいていない面白さを見つけたりハックしたり。だから、ありふれたものや工業的な規格品に魅力を感じるんですよね。
僕たちがやりたいことと、福永紙工さんのやりたいこと。ちょうどその交差点にあるものとして、汎用品のスチールラックみたいな紙の収納道具を思いつきました。
――ドミノさんの事務所にも、スチールラックがたくさんありますね。
大野:僕らも収納として使っていますし、いろんな場所で幅広く見かけるものですよね。それが紙でできていて、かつ卓上サイズで、「家具と道具の間ぐらいのもの」が作れたら面白いかなと思い、今回の「paper rack」にたどり着きました。
――紙工視点に関して「こうしてください」というオーダーはあったんですか?
大野:具体的なオーダーは全くなくて、どちらかというと「何でもやっていいよ」と、むしろ自由すぎるぐらいに言われていました。ただ、普段考えている建築の作り方というか、そのやり方の延長でできるものがいいなとは思っていて。彫刻やオブジェではなく、何かしらの機能をもった空間的なものにしたかったのと、贔屓目なしにちゃんと自分が欲しいと思えるものにしよう、というところをガイドラインにしてプロジェクトを進めていきました。
どんな風にプロジェクトが進んだか
――いよいよ「paper rack」というコンセプトが固まったあと、どういうふうに進んでいったんでしょう。
大野:まず、スチールラックという存在をじっくり観察することから始めました。僕らはプロジェクトを始める前に、まずそのバックボーンとなっている「文脈」や「歴史」、「趨勢(すうせい)」などにリサーチをかけるんです。スチールラックが古今東西、どういう場所で使われ、どういう方法で作られて、どういう売られ方をしてきて、どういう場所で見ることができるのか、国内外から事例を集めて考察していきました。
――通常の建築プロジェクトと同じプロセスを踏んだわけですね。
大野:ええ。次に、なんでスチールラックを紙で作るのか、問答を繰り返しました。スチールラックをモチーフにして、卓上サイズにすることを考えたとき、「それは鉄製じゃ駄目なの?」「木は?」「プラスチックは?」といった問いを立てたんです。でも鉄で作ると重すぎるし、加工も大変で耐荷重もオーバースペックになる。この大きさでスチールラック と同じような機能を持たせようとすると、強度的にも加工的にも、紙が最も合理的なんです。
スチールラックのミニチュアやペーパークラフトを作るのではなく、あの大きさの卓上収納を作るにあたっての最適な素材として紙を使う。そこがブレイクスルーになって、「これはいい製品になりそう」と確信しました。
リサーチをかけた様子
大野:そのときに並行して考えていたのが、たたずまいについてです。この製品にとってのちょうどいいサイズというのは、どのくらいなのか。何度も実寸の模型で試して大きさを決めていきました。
大きさを決めたあと、次に検討したのはラックの「構造」です。どうすれば揺れないか、しっかりしていると感じるか、耐荷重が増すか。試行錯誤しながら接合部のディテールや、加工の仕方を検討していきました。
天板裏側の「折り返し構造」に苦心してたどり着く
大野:デザインとしては、今回のプロダクトは機能的であればあるほど魅力的になると思ったので、福永さんのエンジニアリングがとても頼りになりました。「このくらい丈夫だったら安心感を持っていろんなものをディスプレイしたり飾ったりできるよね」というところを最初からしっかり見据えて、プロダクトの開発を進めています。
「紙」という素材への感想
――苦労したエピソードはありますか。
大野:紙の種類がものすごくたくさんあって、選ぶのが大変でした。機能としてはできるだけニュートラルであってほしい。けれども、ちょっと部屋が華やかになってくれるような存在にもしたい。
――せっかく色を決めても、使いたい色が廃番になっていたこともありました。
大野:紙の世界では新しい色や質感が日々更新されているのだということも、新しい発見でした。廃盤を恐れずに質感重視で紙を選ぶのか、再現性を重要視して印刷にするのか。この辺りの悩み所はまさに紙の難しさ、面白さだと思いました。
――先ほど、既存のものをハックするという話がありました。オール紙でつくるのかという議論があったなか、最終的にはホームセンターで売られているような留め具を採用しましたね。
大野:ラックの四隅を「割りピン」という金物で留めています。全部を紙でやろうとせずに、ちゃんと適材適所で素材を考えてあげるのも今回のプロダクトで大事にしたところです。
いろんな種類のピンをたくさん取り寄せて、比較検討しました。プラスチックのもの、シルバーのもの、ゴールドのもの。最終的にコスト、施工性、見た目のバランスが一番いいものを選んでいます。
検討した留め具
――紙という素材への発見、あるいは難しさ、特性みたいなものをどう見ましたか?
大野:例えば福永さんと紙の厚みについて話をした時に「それは合紙すればいかようにも調整できます」と言われたんです。紙の厚みを調整するなんて考えたことがなかったので、目から鱗でした。加工を前提とする彼らにとっての「紙」と、市販を前提とする僕らにとっての「紙」は全く違うものなのだと感じました。奥が深いです。
紙の質感も本当にいろいろあって面白かったです。今回は特に、紙のツヤ感やケバ感にこだわりました。工業製品のニュアンスを出すためには、できるだけ均質な素材に見えたほうがいいんです。今回選んでいる紙にはあんまりムラがなくて、いろんな角度から見てもあまり印象が変わらない。紙なんだけれど、ちょっとクールな印象を持ちます。ちょっとした質感の差で、細かいニュアンスを与えられるのも紙の特長なのかなと思いました。
――スチールラックを卓上サイズに置き換えたとき「紙がベストだった」ということですが、木やプラスチックではなくて紙だった、ということですね。
大野:そうですね。紙は簡単に折り曲げることができますが、それは木だったり、プラスチックだったりするとかなり難しいです。あとは、圧倒的に軽い。「paper rack」はびっくりするぐらい軽いのに、すごくしっかりしているコントラストが気に入っているので、ぜひ持ち上げて確かめてほしいです。
あとは紙なので、やろうと思えば自分でカスタマイズできます。穴を開けるとか、あるいはエンボスを押し込むとか、そういう後加工みたいなものができる。工業製品然としているのに、身の回りにあるカッターやハサミでその形を変えられる。そういったところも「紙ならでは」ですよね。
完成した作品の見どころ
――ここまでは開発のプロセスを伺ったので、この先は完成した製品の「こだわりポイント」を3つ教えてください。
大野:まずは「大きさ」ですね。家具と道具の間ぐらい。例えばオフィスだったら机同士の境界に「paper rack」を置いてもらって、隣りの席との共有棚兼パーティションとして使うこともできます。
空間の中で小さいモノがぶわっと机に乱雑にある中で、ノートの罫線というか、ちょっとしたグリッドになるといいなと。いろんなモノを飾りたくなるように、ちょっと不自然さを感じる大きさにしています。
――不自然さ?
大野:何も入れていないと、若干大きすぎるように感じるサイズを狙っています。ものを置いたときにようやくちょうど良く完結するというか。
「paper rack」の使用シーン / Photo:Masaki Ogawa Styling: Yumi Nakata
――2つ目の推しポイント、どうでしょう。
大野:「組み立った状態でお届けする」ということです。今回、買ってからできるだけすぐ使える状態になる、ということにこだわりました。
たとえば、柱や棚板は、工場で折り曲げや接着などをして立体パーツになったものを梱包しています。それによりパッケージも箱状のものでお届けすることになりました。
「paper rack」パッケージ
大野:ペーパークラフトみたいに自分で作らせるのか、それとも最初から組み上がったものを渡すのか。愛着か安心か。どちらがいいか、検討を重ねました。
どこまでを工場で組み立て、どこから買った人が組み立てるか。かなり線引きを細かく決めて、価格帯とも相談しながらこだわったポイントですね。
――試作段階を見せてもらったときには、まだ「どこまで組み立てるか」という議論をしていて、紙を実際に折り曲げさせてもらいましたが、かなり難しい作業でした。
大野:難しいですよね。「失敗した!」と思ったままだと、飾りたくなくなっちゃう。だから失敗したと思ってほしくないというのが一番ありました。自分で組み立てるのが好きな人もいますし、僕も折り紙などは好きなんです。ただこの製品に限っていうと、できるだけ使用するまでの助走は短いほうがいいなと思い、こういう形がベストだと考えました。
――3つ目はいかがでしょうか。
大野:それは「色」ですね。
最初にリサーチをしていたとき、ニュートラルな色がすごく多いことに気づきました。日本だとグレー、ベージュ、アイボリー、あとはペールグリーンというものが工業製品のラックとしては多いんですけれども、海外を見てみると結構、鮮やかな色が多かったんです。
たとえばアマゾンでは、この製品のラインアップにもあるように青とオレンジのスチールラックを一部の倉庫で使っています。今一緒に仕事をしているベルギーの木工所でも、まさにこの組み合わせの鮮やかな色を使っていて。木材や段ボールとかがコントラストで目立つというのもあるみたいです。
さらに機能的にも、オレンジだと耐荷重何キロ、赤だと何キロ、黄色だと何キロみたいな感じで色で判別して重さや耐荷重を判別するということもあるらしい。それを見ていると、すごく機能的だけれども、色合いの雰囲気的にもモノを置いたときに負けていなくて、骨組みとしてしっかり片づいて見える強さみたいなのがあるなと思っています。
――実際に完成してどうですか?
大野:もちろん、グレーはオフィスシーンを始めとしてどんな場所にも合うし、黄色は発色がよくて鮮やかなので、薄い色の場所にもすごく合うと思います。でも今回、バイカラーとしてオレンジと青を作れたのが個人的にグッときています。実物を見るまではちょっと不安もあったんですけれど、実際できてみると、「今までの福永紙工の製品にあまりなかった色の組み合わせで、かわいいね」というフィードバックが多かったのは嬉しかったです。
――試作段階から、大野さんは「かわいい」という表現でpaper rackのたたずまいを表現していましたね。
大野:人の琴線に触れるというか、飽きない、持っていたいものを作りたくて。愛着というか、言語化しきれない「かわいさ」みたいなものが気になっているのかもしれません。消費されるものではなく、定番として根強く残るものになっていってほしいので。
単発のアイデア商品ではなく、「コロンブスの卵」じゃないですけれども、「ああ、こういうのがあったらよかったんだ」という新しい収納のジャンルをつくりたいなという気持ちがありました。
――なるほど、新たなジャンルを。
大野:ゲームチェンジをしたいというか。毎回、何かモノを作ってくださいと頼まれたら、「求められた解答だけでなく、それとは別の価値を提案して返したい」という気持ちがあります。今回の場合は、製品だけでなく、新しい収納のジャンルの提案にもなっていて、このジャンルの定番として、「paper rack」が選ばれるようになればいいなと思っています。
Photo:Masaki Ogawa Styling: Yumi Nakata
――使い方が「合理的」なだけじゃないのが面白いところです。
大野:飾りたい欲求と片付けたい欲求って同時に存在できるんですよね。机の上って乱雑になりがちなんですけれども、意外とこの高さで可動式で、高さ方向にモノを置けるスペースって今まであまりなかった。積むとかはあったと思うし、あとは紙書類とかを差し込むような引き出し式のトレイとかもあったとは思うんですけれど、このくらいの高さと奥行きの収納というのは結構、珍しいのかなと思っています。あんまり整理しないで、ごちゃっと棚に詰め込むだけでもそれなりに面白い見え方になる。机の上に面で散らかっていたものが、垂直になっただけなのだけど。
――垂直方向への展開。コルビュジエの「輝ける都市」ではないですけれども。
大野:そうですね(笑)。タワー方向というか。机の上を敷地に見立てて、どの空間的なボリュームが最適なものなのかという解決策は、すごく建築的だなと思って取り組みました。
紙工視点に参加して得た視点
――今回の経験は、今後のドミノアーキテクツの仕事にどう影響しそうですか。
大野:ドミノとして、あるプロジェクトのための特注家具とか、仕組みや素材を作ることはあったのですが、今回の場合は不特定多数の人に向けて作ることになる。誰が使うかわからないという点で、僕らにとっては公共建築の考え方に近いというか。そういったところがすごく新しい発見でした。
また、「paper rack」を作ったことによって、じゃあ、これが置きやすそうな空間をつくるとしたらどういう感じなんだろうということも考え始めました。
これまで「大きいものから小さいものへ」考えていくのがセオリーだったのが、「小さいものから大きいものへ」というデザインの進め方というのもあるなと思っていて。たとえば小さい卓上サイズのものを最初に考えて、それが沢山置かれているような空間や、それが映える余白のある空間について考えたりもできそうです。
――公共というところが、建築家として新しいフィールドでもある。
大野:いろんな人が使うことになるので、そこは興味があります。「paper rack」はしまったり飾ったり、人に関わってもらうことで完結するプロダクトなので、もし可能なら、買った人がどういう使い方をしているのかを1年後くらいにリサーチしてみたいです。
――新しいカルチャー、ワークスタイルを生む「インフラ」のようになっていくと面白い。
大野:そうですね。新しいジャンルというのは、そういうことなのかもしれません。「paper rack」という製品の抽象化した概念が浸透して、やがてインフラになっていったら面白いですね。
「paper rack」の使用シーン/ Photo:Masaki Ogawa Styling: Yumi Nakata
購入者の使用シーンを見てみたい
――福永紙工とプロジェクトをしてみて、どうでしたか。
大野:福永さんとはとても密にトライ&エラーを繰り返させてもらいました。その都度、レスポンスの早さや、試作における「検討箇所」の的確さにプロフェッショナルの仕事を感じて、すごくエキサイティングでした。
僕らは新しいジャンルの仕事をするのが好きなんです。コラボレーション相手が変わることで、作るものも変わるといいなと思っていて。その相手は養鶏家や研究者だったり、タワーマンションを手がけるような大手不動産企業だったり、いろんなチームを編成して、その都度自分のキャラを変えていきたい。事務所としての武器が増えたり変わったりしていくことを楽しんでいます。
今回は「福永紙工 x ドミノ」だとこれがベストアンサーだという、お互いが最大限興味があるポイントに着地できたなと思っています。
ひょっとしたら、ある人には「すごく福永さんらしく」見えるかもしれないし、別の人には「すごくドミノらしく」見えるかもしれない。それはすごく幸せなプロダクトのあり方ではないでしょうか。全員のアイデアが詰まっていて、みんな自分ごとにできていたと思うので、それはとても良かったなと。
――どういう人に「paper rack」を買ってほしいですか?
大野:細かいものを並べるのが好きな人はもちろん、いろんな使い方があると思っています。キッチンだったら調味料が置けますし、マシンルームだったらツールや金具を整理できる。そういう、ものがごちゃっとしていて整理に困っているところを、ぜひ身の回りで探してほしいです。
今回、キービジュアルとして食材や食器を並べたパントリーの中みたいな写真も撮ったんですけれども、すごく映えるなと思っていて。とても良かったので自分でもキッチンで使ってみたくなりましたね。
「paper rack」の使用シーン/ Photo:Masaki Ogawa Styling: Yumi Nakata
――スパイス瓶など、ちょっとした小物を置くのにもちょうど良さそう。
大野:ジャム瓶とか重いものも全然、余裕で置けるので、料理家さんとかにもぜひ試してほしいです。多少濡れても、すぐ拭けば大丈夫ですから。
――最初は机のようなワークシーンに置くイメージでしたけれど、洗面台近くなどにも使えそうですね。生活全般オールラウンドで。
大野:いろんなシーンでいけると思います。壁の上の方に貼れば神棚っぽく使えるし、床の間に置いて花を生けてもいいかもしれないし、ぜひトガった使い方をしてほしいな、って思います。
――それも買った人から募集すると楽しいですね。ありがとうございました。
<インタビューを終えて>
近年、スマホをかざせば目の前に3Dデータでつくられたミニチュア建築が浮かび上がるAR技術が人気です。大野さんの「paper rack」を見て連想したのが、まさに小さな建物が「こつ然と日常空間に現れる」感覚。ポコっと垂直方向の収納が絶妙なサイズで現れたとき、かなりユニークな体験を私たちにもたらしてくれるでしょう。
インタビュー・文:神吉 弘邦
紙工視点2022 新作発表会およびギャラリートークイベント
会期
2022年9月16日(金) - 9月30日(金)
*最終日は17時まで
場所
立川・GREEN SPRINGS「SUPER PAPER MARKET」
東京都立川市緑町 3-1 GREEN SPRINGS E2 209
(JR 立川駅北口徒歩8分 )
営業時間:11:00 - 19:00 休業日:なし
ギャラリートークイベント
2022年9月22日 (木)15:00 - 17:00
開催場所:SUPER PAPER MARKET 内「紙工視点 2022」展示会場および TOKYO 創業ステーション TAMA
登壇:大野友資、パーフェクトロン(クワクボリョウタ+山口レイコ)、五十嵐瑠衣
進行:岡崎智弘、山田明良
*先着30名様まで
*参加無料
*事前申し込みはこちらから
【紙工視点2022】から発表された製品は
福永紙工 ネットショップ「SUPER PAPER MARKET」でご購入いただけます。