009 Thonet 14 Chair/ト―ネット no.14 チェア
曲げ木の発明者には諸説がありますが、ミヒャエル・トーネットがいろいろな家具で試して実用化の道を開いたことは間違いありません。No. 14の椅子は、トーネット社が数多く作った家具の中で最初に量産された椅子です。
スチームで熱して柔らかくなった部材を曲線に沿って固定し、乾くとその曲線が固定されるこの技術は、廃棄する木材が少ないことから、いろいろな産業で木が使い尽くされた19世紀当時のヨーロッパでは経済的であり、現代にいたっては環境にやさしい工法です。
塗装の終わった36脚分のパーツを1メートル四方の箱に納めて送り、搬送先で組み立てて売るなど、時代を先取りしたデザインでもありました。ウィーンを発祥とする「コーヒーハウス文化」を象徴する椅子として、158年後の今も製造が続けられています。