008 Paimio chair / パイミオチェア
アルバー・アアルトが妻のアイノ・アアルトと共に、結核療養所の設計コンペで最優秀に選ばれたのは1928年のことでした。フィンランドのパイミオという街にその療養所が建つ1933年までに、この施設で使われる家具もアアルトがデザインしました。マルセル・ブロイヤーのパイプを使った椅子を使うことも検討されましたが、木製の椅子のほうが療養所の雰囲気にマッチして患者が触れたときの暖かみもあるとの判断で、この椅子がデザインされました。
患者が休むラウンジに置かれ、座った患者の呼吸が楽にできるよう座の角度が考慮されています。デザインの過程では多くの試作が作られ、フレーム部と座と背が一体になった部品の両方がカバ材となり、座った時のやわらかな柔軟性が生まれました。
1935年にアアルト自身が設立に参加した家具会社アルテックでの製造が開始され、今なお生産が続いています。