グランプリ
審査会での協議により「該当作品なし」と判断致しました。
審査会での協議により「該当作品なし」と判断致しました。
クラッカーが弾けてメッセージが飛び出す、という明快な作品です。 「やってみたい」「送りたい」と素直に思わせる楽しいアクションに説得力があります。 輪ゴムで弾け飛ぶという簡単な構造ながら、きちんと成功することに研究を繰り返したことが伺えます。弾け飛ぶ紙を吟味したり、量産にむけて構造を改良したりと製品化までの道のりはありますが、楽しい製品になる確信がもてるカードです。
輪ゴムの仕掛けを利用し、THANK YOUと個別の文字がポンポンと順番に跳ねる仕掛けのアイデアです。文字が無垢に飛び跳ねる姿に、どこかに忘れていた愛嬌を感じました。実際には、受け取り手がどうやってスムーズにTHANK YOUの文字を跳ねさせるのか等の課題はありますが、そんなことは置いておいて、なんだかこの事象に楽しみを抱いて、提案いただいた姿に嬉しさをおぼえました。
目の前で手品を見せてもらえたかのような驚きをもらいました。 正直なところ、外観のたたずまいからは予想もしてなかったので、そのギャップにやられてしまいました。仕掛けを知ると、とてもシンプルなのもいいです。
一見、何にもないまっさらなカード。水をかけたとたんに絵柄が表れて、思わず「おおお!」と声を出してしまいました。こういうギミックはこどもの頃から大好きで、今でもやっぱりワクワクして心惹かれます。絵柄部分以外にステンシルで撥水スプレーをかけているのでしょうか? 水をかける前は絵柄の影が一切ないのがいいですね。そして選んだ茶色い板紙は、水を含むと色が濃くなるのがわかりやすいセレクトなところも、すごくいいなと思いました。
ラーメンの麺と具をズルズルと引っ張ると、なんと便箋になっています。シンプルなアイデアだからわかりやすく、イラストも楽しそうだから、お店に並んでいたら手に取ってしまう方も多いのではないでしょうか。さらにご当地ラーメンの数だけ、商品を展開することもできます。旅先で出会ったおいしいラーメンを食べながら「あの人とも訪れたい」という思いを伝える手紙。さらにうどんにそばに、どんな麺類でも便箋になりますね。
この『貼がき』は、シンプルなアイデアながら、〈心からわたしの欲しいもの!〉と胸をはって言える作品だったと思います。 旅先でハガキを出したい、でもいまいちな観光ハガキしかない(一周まわってそれがいい時もあるけれど)! そんな時にこれがあれば町のかわいいお土産やさんの包み紙もハガキになるし、立ち寄った先でもらった紙が、なんでもハガキになる。写真が間に合わなくても、絵心がなくても思い出を送れるキュートな作品です。
紙に書くための道具を紙でつくるという発想が面白いです。 書きやすさもよかったです。ものの佇まいも素敵でした。
ギリギリ違いがわかるくらいの薄い色の紙が 少しずつ大きさの違う円弧の形にカットされています。 これらを重ねることで断面の部分に虹が現れる、という作品です。 たしかに紙の断面というものは、時に光ってみえますが、 この微細な現象に着目し、0.3mmほどの厚みの重なりを「虹」だとみたてた作者の想像力が素晴らしいと思いました。 今回、虹をテーマにした作品は多く見受けましたが、 これほどまでに繊細ではかない虹の表現は特異で、審査員賞に選ばせていただきました。
光、水、影は 誰もが「記憶」にインプットされている重要なモチーフ。 水面(ミナモ)の揺らぎを印刷と型抜きだけでシンプルに表現し、そこに「ことばをこえた」伝わる瞬間を少し感じました。 「少し感じる」というのも紙ならではの繊細な特性、その可能性を感じました。
今や世の中はモノや情報が溢れて、みんな「お腹いっぱい」。テクノロジーの発展で、仮に10年前の生活と比べると全てにおいてメチャクチャ便利になった実感は多くの人が否定しないところかと思います。
では、10年前と比べ私たちは幸福になったか?というと多くの人が「NO」と答えてるようです。(日本の幸福度は過去最低の58位だそうです)
もしかしたら人と人の繋がりが昔より希薄になってしまったのかもしれません。
今回のペーパーカードデザインコンペでは希薄になった人の繋がりを「紙」というアナログなツールでどう繋げるか?送られてきたら嬉しいもの、驚くもの、笑えるもの、などコミュニケーションのキッカケになる観点で審査が自然に遂行されたような印象をうけました。
ある意味、デザインのクオリティより少し荒削りでもコミュニケーションツールとしてのアイデアやストーリーを感じれれる作品が選ばれたように思います。
受賞作品はこれから何ヶ月かかけてブラッシュアップされ製品としてリリースされます。みなさんにとってどんな意味のある製品になるか、今から楽しみです。
福永紙工株式会社 代表取締役 山田 明良
福永紙工株式会社 「ペーパーカード」デザインコンペ2020係
担当:浜田茜 髙橋里枝
〒190-0022 東京都立川市錦町6-10-4
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