007 Zig-Zag chair / ジグザグチェア
リートフェルトは1923年の『Red-Blue』や 1934年のクレート家具、1942年のアルミニウムの椅子など、前衛的で時代を象徴するデザインを数多く残した建築家です。
同時代に見られたスタイルと比べて格段にミニマルなジグザグチェアは、リートフェルト自身が「椅子ではなく、空間を仕切るもの」と呼んだように、純粋な形の追求として1932年頃から構想され、さまざまな建築プロジェクトに使われました。
4つの矩形が繋げられた形はシンプルですが、そのぶん構造的には難しく、成形合板で一体化したものや木の内部に金具を埋め込んだものなど、いろいろな補強のバージョンが試されてます。この紙模型で参照しているのはオランダのMetz & Co.社から最初に発売されたタイプで、背と座は鳩尾継ぎ、鋭角の継ぎには補助部材が内側から貼られ、ボルトも使われて加重を支えています。この、座っても大丈夫?と一瞬躊躇するような外見が、魅力のひとつであることは間違いありません。
のちに、構造を助けるひじ掛けつきのアームチェアや背の角度が開いたラウンジチェア、座面に張り地のついたものなどもデザインされました。
ジグザグチェアが置かれた室内は、椅子よりは早く1924年にデザインされユトレヒトに建てられたシュレーダー邸のキッチン・ダイニングを参考にしています。